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俳句のすすめ    久保田 白洋      

2009年10月掲載

     

 俳句は、日本語の分かる人には誰でも作れる、紙と鉛筆さえあれば何処でも楽しめる一番安上がりな趣味だと思います。

 私が俳句と出会ったのは、小学生の時。その頃は綴り方教室という時間があり、それを担当していた先生が俳句結社ホトトギスの同人だったのです。その先生から俳句の手ほどきを受けたのですが、その後何十年かブランクがありました。それが、40年ほど前にまた俳句を始めたところすっかりその魅力にとりつかれ、今は月に二回ほど句会に出ています。

 俳句は季語を入れて、五・七・五の言葉で繋げば出来上がりです。季語というのは季節を表す言葉。例えば「涼しい」、「暑い」とか、花の名前「向日葵」、「ダリア」でも季語になります。季語を入れない俳句もありますが、季語があった方が、奥行きが出て、想像力をかきたてると思います。季語を集めた「歳時記」には季節ごとの季語が並び、解説とその季語を使った俳句が記載されています。

 俳句に親しんでいると、大げさかもしれませんが、自然との対話ができるようになります。例えば散歩している時の花を見る目が違ってきて、花の心が分かるようになります。月を見ても、頬に風を感じても何に対しても愛着がわき、心が和みます。

 そして、日本語が格段に上達します。俳句では、何と言っても言葉が生命(いのち)、語彙の豊富さは俳句上達の有力な味方です。だから、知らない言葉をどんどん勉強するようになります。このふたつが俳句の大きな効用と言えるのではないでしょうか。 皆で集まって俳句会をするのも楽しいものです。先生がおられれば先生を中心に○○会といった俳句の会(結社ともいいます)が沢山あります。

 句会では、通常あらかじめ決められた季語(兼題)で作った句を披露して互選(点数を入れあう)し、後で批評し合います。また、句会の席で先生が出される季語(席題)で作ることもあり、その席で即座に造るのも妙味があります。

 また、郊外や地方に出かけて目に触れたものを句材にする吟行というのもあります。同じものを見て作句する楽しさ、夫々の感じ方が微妙に違うところに興味があります。

 と、いろいろ俳句の効用、楽しみ方を述べてまいりましたが、皆さん、自然に向き合って誰でも出来る俳句を作ってみませんか?人生が楽しくなること請け合いです。  

  淡紅に 夕陽の染めし 雲の峰         白洋

 

●久保田 白洋(くぼた はくよう)  

 久が原在住  

 

 

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