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音の話(その二)   相澤克己

2010年8月掲載  

 

 前回は、音の伝達には「固体伝達音」と「空気伝達音」があるとお話ししました。今回はその不快な音を、我が家から出さないようにするには、どのようにしたら良いのかを考えてみます。
 音の伝達を防ぐ「防音」には、「遮音」・「吸音」という方法があり、その違いを良く理解しておくと快適な集合住宅の生活を送ることができます。
 まず「遮音」です。音の伝達を防ぐには、この遮音性能を高めることが大切です。遮音性能は質量で決まります。なにより硬い材料が良いのです。つまりベニヤ板やプラスターボードよりは鉄板の方が遮音性能は高いのです。
 たとえば、カラオケボックスなどの大音量を出す部屋の遮音は鉄板で行うと、隣の部屋への音の伝達が防げるので、これを用いている店が多いようです。又、プラスターボードに薄い鉛板を貼り付けた製品もあり、これもかなりの遮音効果があります。
 次に「吸音」という方法があります。音を発生源の近くで吸収することで隣戸への不快音の伝達を防ぐという方法です。厚手のドレープカーテンやカーペットなど吸音製の高い材料を用い、音を届かなくしてしまう事です。
 最近は床にフローリングを用いることが多くなりました。改修工事でフローリングするお宅は、遮音性能に数段階の表示があり、値段もかなり異なりますので、設計者や工事会社からよく説明を受けて下さい。しかし、それでもフローリングの床では、吸音が十分には期待できませんので、置敷きのカーペットを敷くなどすると床に吸音性が得られますので、良い方法です。
 リニューアルなどで壁紙を貼り替える場合は、吸音性の高い織物製や、ビニールクロスの中に発泡性のものが在るので、それらをセレクトするのも方法です。天井に吸音性のある内装材を使用すると特に効果的です。
 オフィスの天井に使用されている穴の開いたプラスターボードや岩綿吸音材は大きな吸音効果があります。衣服を着た人体もかなりの吸音性があると言われています。
 遮音と吸音を有効に組み合わせると効率的な防音対策が得られ、伝達音が格段に少なくなります。
 自宅でピアノや楽器のレッスン等をしたり、大きな音量で音楽を聴くお宅は、以上の事を参考にして、専門家に相談して楽しい集合住宅ライフをお過ごしください。       (おわり)

 

●相澤克己(あいざわ かつみ)  下丸子在住

 

 

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